ニトロキシドラジカル群では酸が電気陰性度の大きい方の O 原子に在り、塩基が電気陰性度の小さい方のN原子に在る。従って酸は強酸、塩基も強塩基となりこの強酸・強塩基の相互作用故に安定化作用の力が強い。私の主観でニトロキシドラジカルの安定化力を100とした酸素・架空一酸化窒素の安定化力を下図に示した。

 6 ( TEMPO )ではNから O に一電子移動するとも考えられ、66’ は平衡関係にあるとも言える。6’ ではN陽イオンの不対電子故に強酸、O 陰イオンの孤立電子対故に強塩基となり強酸・強塩基の関係が 6’ でも成り立つとする。
6, 6’を酸素分子風に表せば上図の緑色の線で囲った化学構造式に、6’ の場合は本安定化作用を表す単線は O に接近させる。6, 6’ が不可分・混在の関係なら本安定化作用を表す単線と孤立電子を中央に置く。なお、強酸と強塩基による強い安定化作用は太線で表す。
 6’ の不対電子は上図の黄緑線で囲ったように隣接する C-Meの共有電子対との間で超共役の安定化作用が期待できる。
 ニトロキシドラジカル群では多種多様な化合物が超安定ラジカルとして実在し試薬が多数販売されている。