・・・私の職場は平均点主義で社員を採用する会社の研究所・・・
1963年私は高校を卒業し民間企業の研究所で働き始めた。各研究室は概ね有名国立大学卒業者で占められ高卒者は平均すれば3割に達してなかっただろう。そして1970年代になると高卒者が研究現場に配属されることは無くなったと思う。
そこでは研究室・部単位で「抄読会」が頻繁に行われ、有志を募っての勉強会もあった。眠気覚ましに瞼にメントール入り軟膏を塗って文献を読みあさる頑張り屋さんの噂も聞いた。部単位の抄読会は総説論文風で知識不足だった私の役にたった。「風」を付けたのは情報の列挙で文献紹介者の見解が無かったと記憶しているからだ。
その後パソコンが各人に与えられる時代が来ると抄読会は消滅した。他の研究室ではどうだったかは自信を持って言い切れないが部、研究室の順に情報化社会の充実度に伴って廃れていったのは確かだ。抄読会の目的が情報入手のみで文献紹介者独自の見解には無関心だったことの証明と言える。
独自性には無関心、これは私が感じた平均点主義者の特徴だ。私はこの事態への疑問と反発心から研究室の抄読会しか機会をあたえられなかったが、自分の主観が入り込める文献を選び続けた。
