芳香族以外のカルボニルでは化学便覧とNISTの値が大きく違う(表-1)ので言及は芳香族に限った。図-8の黄塗り矢印は水素ではなくベンゼン環に向いている。その理由はベンジル位C原子のp軌道上の電子対はp軌道の電子としか大きな相互作用をしないからだ。黄塗り矢印が青塗りより幅が小さいのは環のπ電子との酸・塩基相互作用が弱いことによる。黄塗り矢印の幅を大きくする方法はベンゼン環に電子吸引基を多数導入するか、複数のN原子を有するアジン系ヘテロ環を用いる。これによりベンジル位のp軌道の電子対(塩基)と電子不足状態になった環(酸)との間で酸・塩基相互作用力が大きくなりベンゾキノン様「一石二鳥」が実現するだろう。しかし一石二鳥の内容は異なる。ベンゾキノンでは原子軌道間酸・塩基相互作用と6π電子系の達成だ。電子吸引系置換基芳香族カルボニルでは原子軌道間酸・塩基相互作用×2となる。